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会長挨拶

大川 富雄
OKAWA Tomio

このたび、2026年度の日本混相流学会会長を拝命いたしました。日本混相流学会は、1987年7月13日に京大会館にて設立総会を開催しておりますので、来年には40年の節目を迎えることとなります。歴代会長ならびに諸先輩方が長きにわたって築いてこられた本学会の伝統を受け継ぐこととなり、その責任の重さを改めて感じております。

私と本学会との関わりは、1992年7月に仙台国際センターで開催された混相流シンポジウムでの口頭発表に遡ります。その後、混相流学会誌に投稿した4編の論文を取り纏めて学位論文としました。また初めての招待講演は、1997年12月に米沢市の小野川温泉で開催されたオーガナイズド混相流フォーラムにおいてでしたが、私の拙い発表に真摯に耳を傾けていただき、講演時間を大きく超過して温かくも的確なご助言をくださったことを今でも鮮明に記憶しております。これに何とか応えようと試行錯誤を重ねた経験は、私が研究者として歩むための礎となりました。また、レクチャーシリーズ等を通じて混相流の基礎から最先端までを学ぶ機会を得るとともに、様々な規模の国際会議への参加により大きく視野を広げることができました。このような貴重な経験と成長の機会を与えてくださった日本混相流学会に、心より感謝申し上げます。

ご存じの通り、混相流は、気液、固気、固液、さらには固気液三相流など、多様な相が共存する複雑な流動現象を対象とする学問です。その応用分野は、エネルギー、化学プロセス、機械工学、原子力、資源・環境から、防災、食品、医療、バイオに至るまで、極めて幅広い領域に及びます。近年では、脱炭素社会の実現やエネルギー利用の高度化といった社会課題への対応に加え、AIやデータサイエンスを活用した新たな研究手法の導入により、混相流研究への社会的期待はかつてないほど高まっています。

このような背景の中、本学会の中心的な活動である混相流シンポジウムでは、フラッシュトークとポスターセッションにおいては最新の研究動向を俯瞰するとともに、オーガナイズドセッション及び一般セッションでは、混相流に本気で取り組む研究者同士の自由闊達な意見交換が行われ、他学会に見られないほどに多くの会員が参加する貴重な場となっております。このような学術交流の場をさらに充実・発展させることは本学会の重要な使命であり、そのための環境づくりに尽力してまいります。

また、我が国の将来を担う若手研究者や学生の育成は、言うまでもなく本学会の重要な役割です。混相流シンポジウムやICMFをはじめとする国内・国際会議において質の高い研究発表の機会を提供するとともに、学会誌の特集記事やレクチャーシリーズを通じて、混相流の基礎から応用までを体系的かつ効率的に学べる環境を整えてまいります。さらに、国内外の研究者・技術者との交流や産業界との連携を促進し、若い世代が挑戦しやすく、学術と社会を強く結びつける学会を目指します。

本学会は、理事や各委員会のみならず、会員一人ひとりの積極的なご参加によって支えられています。シンポジウム、国際会議、研究会、各種委員会、そして学会誌への投稿などを通じて、会員の皆様が活発に交流し、常に新たな価値を創造できる学会であり続けられるよう努めてまいります。最後に、日本混相流学会のさらなる発展と会員の皆様のますますのご活躍を心より祈念するとともに、今後一年間、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

電気通信大学情報理工学研究科機械知能システム学専攻 教授

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