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会長挨拶

賞雅 寛而
TAKAMASA Tomoji

2015年度日本混相流学会会長として先の総会でご指名をいただき、大変な名誉であると同時に重い責任を感じ、身の引き締まる思いです。

混相流は、機械工学、化学工学、土木工学をはじめとする工学、医学、生物学、地球科学など、すべての理工学、またほとんどの産業分野の基礎事象です。しかしながら、固気液各相界面における運動量・エネルギー及び質量の複雑な交換のために、混相流メカニズムを一つの研究分野もしくは産業分野だけで解明することは困難です。当学会は、各研究分野の英知を持ち寄ってこの複雑な混相流の事象を共通して解明していくこと、またその結果をもって各分野における混相流技術を互いに発展させることを目的に、世界に先駆けて混相流専門家が集結して発足しました。混相流を学術的に解明する、すなわちある意味で拘束を受けない自由かつ学究的な追求という精神はこの28年にわたり、初代混相流学会長の赤川浩爾先生(神戸大名誉教授)から本学会活動に連綿と引き継がれています。

当混相流学会の大きな特徴は、この世界に先駆けた優れた混相流技術専門家の集結により、当学会が混相流研究及び情報の世界的な源となりえたことです。このことは混相流の研究分野ほど我が国の研究の貢献度が高い研究分野がほとんどないこと、また混相流分野の最も大きく最も権威ある国際会議であり来年2016年フィレンチェ開催で第9回となるICMF(混相流国際会議)が当学会を基盤として発足していること、各国の混相流研究者の協力・支援の下に運営されているICeM(国際混相流情報センター)が当学会に設置されていることからも自明です。

しかしながら我が国の少子化などによる経済の停滞及び各産業分野における国際化などにより、特に国際化に関連しての学会を取り巻く環境の変化は大きくなっており、これまで以上の積極的な対応が必要になってきています。例えば現在減少傾向にある学会員数についても国内の拡充だけでなく、国際的な会員ネットワークをより構築していく必要があります。またICMF他混相流学会が共催する国際会議にこれからも積極的に関与するとともに、ICeM他日欧・日米の二相流専門会議などにより海外ネットワークのより拡充を図らなければなりません。また海外の混相流組織と共同してのより政治的・外交的なポテンシャルも必要になってきます。これに並行して学会の情報発信手段である学会誌及びHPの更なる英文化も必要です。学会誌の論文及び解説は学術的内容も高く会員の貴重な情報交換ツールですが、一方大学や研究所の研究評価は国際的インパクトファクターが重視されてきているため、この対応策を検討していかなければなりません。

前述のように混相流学会他国内外の多くの研究者の理論的実験的な研究努力にもかかわらず、また近年のシミュレーション技術及び微視的計測技術の飛躍的な発展をもってしても、いまだ混相流現象の理解もしくは予測が可能な範囲は残念ながら極めて限られています。更なる国内外の特に国際的混相流技術発展の中心となって、この限界を打ち破るべく当学会の存在及び活動はますますその重要度を高めていくでしょう。すなわち我々混相流学会のメンバーは、先達の貢献を継承しつつ次世代に向けて世界の混相流技術の発展に寄与し続けていくことを各産業分野、各研究分野から期待されていることを常に認識し続けなければならないのです。

菱田公一前々会長及び森治嗣前会長の運営方針を受け継ぎ、当学会がこれまで以上に混相流技術の世界的発展に寄与できるよう、理事・委員の方々はもとより学会員の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科 教授
〒135-8533 東京都江東区越中島2-1-6

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