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会長挨拶

秋本 肇
AKIMOTO Hajime

このたび、日本混相流学会会長に指名され、大変光栄に存じますと同時に、その責任の重さを痛感している次第です。佐田富前会長のご意向を受け継ぎ、当学会の発展に全力を尽くす所存です。

本学会は会員数が600名弱の小さな学会でありながら、年会、混相流シンポジウム、OMF、レクチャーシリーズなどの講演会、セミナーを定期的に開催するなど活発に活動を進めています。また、日欧二相流専門家会議、ICMF、混相流計測技術国際シンポジウム(ISMFTF)などの国際会議を開催、共催するなど国際的にも広範な活動を展開しています。

会員には、機械工学、原子力工学、化学工学、土木工学、環境工学、資源工学などの幅広い分野の研究者がおられます。一つの学問分野にとらわれることなしに、「混相流」という多くの学問分野に共通する課題に対して横断的・総合的に取り組むという本会の設立時からの良い伝統を大切にしつつ、会員相互の交流や情報交換の場としての本会の発展に寄与できればと念願しているところです。

25周年を迎えると社会環境の変化もあって、学会運営面でもいくつかの課題が起こってきます。法人化に関しては、一昨年の三島会長のもとで検討が進められ、法人化によるメリットとコストなどを精査した結果、当面は任意団体のままで活動することとされました。また、英文ジャーナルの発行については継続審議とされています。

日本の混相流研究は国際的にハイレベルであることは間違いないと思っています。その一方で、その成果が国際的にはきちんとアピールできていないとの思いがあり、英文ジャーナルの発行を本会の課題とされたと理解しています。一方で、本会の財務状況と学会誌を担当されている編集委員の皆様の現状における奮闘ぶりを思うと継続的に英文ジャーナルを維持していくことの困難さを感じます。大切な点は日本で得られた混相流研究の成果をきちんと国際社会にアピールすることであると思います。そのような観点で何かよい解決策がないかとの検討を進めていきたいと考えています。

私は本会の設立時から参加させていただきました。本会の活動を通して、原子力分野以外の同世代の友人を得ることができたことが私にとって大きな財産になっています。20代、30代の会員が同世代の友人を得ることが、本会の持続的な発展の礎になると信じています。

幸いにも、慶応義塾大学の菱田公一先生、神戸大学の道奥康治先生、信州大学の小泉安郎先生の3副会長をはじめ、国際経験や学会運営経験の豊富な方を理事・役員に迎えることができました。25周年を迎えた当学会の良さを守るとともに理事・役員そして会員の皆様の協力を得て、30周年さらに50周年に向けた基盤を作りたいと思います。ご支援・協力のほど、お願いいたします。

日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門 〒319-1195 茨城県那珂郡東海村白方白根2-4

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